私は雨の中、少し走り雨宿りしながらまた走り、 母がいる新居へと行く。
家には明かりがついていて、ホッとしながらも緊張しながらインターホンを鳴らした。
「 伊織… やだ入って入って、ビックリした 」
「 ごめん、いきなり来て…… 」
「 自分家なんだから謝らないの、碧斗君は一緒じゃないの?」
「 なんであんな奴とっ… 」
あ……
「 伊織…… 」
つい、口が滑った。
仮にもお母さんの息子なのに、あんな奴とか言われたらショックだよね……
「 伊織、碧斗君とうまくいってないの?」
その聞き方、彼氏じゃないんだから。
「 うまくも何も、お互いにバイトで顔合わせてないから 」
「 家に戻る? 伊織がうまくやれないのはやっぱり、お母さん達の… 」
「 違うから!そういうんじゃなくて、違うから…… 」
黙ると、母は何を勘違いしたのか、碧斗みたいにイケメンが一緒にいるから緊張してるだけじゃないかと言い出した。
それはないと言ったが、前に一度話したことがあった。
書店でイケメンに一目惚れしたと笑いながら話した。
でもそれは、碧斗がそうだとは言えていない。
ただの過ぎた話、それだけだ。



