傘がないのをわかってか、滉が私に待つよう言った。
店の外に出て、壁際で雨宿りしながら待つ。
店の中では滉が碧斗に詰め寄っていた。
「 碧斗、傘は?車にあるなら貸せ!」
「 なんで!」
「 いいから!お前の妹、一人で帰るって、具合悪いのに、しかも雨だぞ 」
「 あ~ そりゃ濡れるね 」
「 早く傘出せ!」
うるさく言う滉に負けて嫌々車から傘を持ってきた碧斗。
それはもうブスッとした顔で。
「 ちゃんと、返してもらえよ?んで、俺に貸しな 」
「 はあっ!? 滉っ テメェ!!」
さっさと碧斗の傘を手に外へ。
待っていた私はなかなか滉が来ないため少し歩き出していて、そこへ滉が走り来て傘を広げた。
「 伊織ちゃん! 濡れたら具合が悪化するから、ね?」
「 あの… 」
なんで名前を… それに傘……
「 碧斗の妹、でしょ。これ碧斗の傘だから壊れても大丈夫 」
「 えっ 」
アイツの傘!?
やだ、壊したりしたら…… 怖すぎるっ
雷どころじゃないよ。
「 あの、傘は返してください!私は平気なんで 」
碧斗の傘を押し退け、行こうとした。



