滉に碧斗が呼ばれ、私の横に父が座る。



「 伊織ちゃん、いい提案をしてくれてありがとう。
あの二人にはお礼をするつもりだから 」

「 いえ、お役に立てて良かったです 」

「 伊織ちゃんもいつかはお嫁に行くんだね 」

「 まだまだ先です、料理が出来なさすぎて お母さんに怒られますから、木崎家の恥だーって 」




父はそんな事ないと言ってくれた。

そして私に何かを聞こうとしたが、呼ばれて行った。

次に座ったのは滉。


今も残念がり、タキシード着たかったと言う。



「 碧斗、親父さんに捕まってるな 」

「 お母さんも忙しそう、しかも楽しんでる 」

「 いつか俺とどう?結婚 」

「 え! やだ、滉君てば~ 」



ほんと、結婚ってすごいな。

周りまで幸せオーラで包んでるから。



碧斗がこちらを向いて、私にか滉になのか、手でシッシッ、と仕草を見せた。



「 何してんの碧斗…… 」

「 あれは俺にだな、いちいち妬くなっての、なぁ伊織ちゃん 」



え、えっ!



頭が滉に寄せされ、チュッとされた。

顔が怒りに変わる碧斗に笑っている滉。



滉君絶対、碧斗をからかってる……

後が怖いんだから。