今回、新規の客ではない私と菜月だが利香が新規のためかサービスのデザートが出された。
でも、なぜか私にだけは出ず、利香が店員を呼ぶと碧斗が来て……
「 お客様はお腹の具合が良くないと思いまして、デザートは控えさせていただきました。
申し訳ありません 」
「 いいえ、全然! 伊織はお茶があれば大丈夫ですから~ 」
お茶って… 利香!!
何となく納得の私をよそに、利香と菜月は少しばかり感動していた。
私を心配しているんだと、私への配慮だと二人はなぜか嬉しそう。
それが本当なら、大丈夫か?と一言があれば私には一番嬉しいと思うのに、私と碧斗の間には一言がない。
だから、信じられない。
「 利香、菜月、今日は家の方に帰るよ、だから先に出ていいかなぁ 」
「 いいけど、本気で大丈夫?迎えに来てもらう?」
「 ううん、大丈夫。ゆっくりしてよ、ね 」
お母さんの顔見れば今よりは落ち着くかも。
先に一人で彩膳から出ようとして、後ろから声をかけられ振り向けば滉がいた。
「 お客様、もしかして一人でお帰りですか?
雨が降ってますけど 」
「 え!雨…… 」
最悪、傘持ってない……



