シンプルなドレスに華かさがあるフェイスアップのロングベール。
着てみて、ベールを着けて鏡の前に。
「 お客様、少し失礼します 」
「 はい、どうぞ 」
鏡に写る自分が自分てないように見える。
綺麗だと、思ってしまった。
ベールを下ろして見ていると、そこに碧斗が。
「 碧斗っ いたの?」
恥ずかしくて、ベール越しに見る碧斗が近づいてきて……
「 本番は口紅するんだろうな 」
「 するよ、赤か、ピンクか… 」
「 今は?つけてんの?」
「 してないよ、ドレスについたら大変だもん、落ちないと弁償とか困るから…… 」
「 伊織 」
え……
視線を下に向けて話していたせいか、呼ばれて触れていた唇に、驚いた。
ベールの上から、キス。
あまりに驚いたせいで固まってしまった。
しかも、その光景を滉が見ていて写真を撮っていた。
「 ベール、汚れてないだろ 」
そう言って隣に並び鏡を見る。
碧斗って、ほんと……
私だけドキドキしてるんじゃないの?
「 綺麗なお前をこのまま拐おうか 」



