母が肉を焼こうとすれば滉が代わりに焼く。
小皿にタレ、滉の動きを見ていてまた思う。
まるで彩膳だと……
「 あ、お母さん焦げた肉は食べないでくだはいね、こちらの小皿に入れる肉を頂いてくださいね 」
ん~……
「 伊織ちゃん、サラダ取り分けたからね 」
滉君……
「 碧斗、網交換のタイミング見とけよ 」
仕事してるたい。
母に良くしてくれて、尚且つ優しい。
皿が空けばすぐに重ねて邪魔にならないようにしている。
そして焼いてばかりで食べていない。
「 伊織、彼女失格ね 」
「 え? 」
なんで、どこが?
「 失格って何よ、碧斗食べてるし、私の鶏取ったし 」
「 俺のだし 」
「 伊織! 彼氏は滉君でしょ、さっきから滉君食べてないのに気づきもしないなんて… あなたの手は食べるだけなの?
恥ずかしいったら…… 滉君ごめんなさいね 」
お母さんってば!
確かにそうだけど……
「 滉君、ごめんね。私がやるから食べて 」
「 伊織ちゃんが火傷したら俺まで痛いから 」
滉君…… 嬉しいけどちょっとだけ寒いよ?
“火傷しろ”
碧斗の小さな呟きに、苦笑。



