碧斗と恋愛しても結婚は夢で見るしかない。
明らかな現実で悲しい。
「 伊織は辛いね、禁断の恋は結局報われないんだって 」
あれ、応援してくれてたんじゃ……
「 だね、血は繋がってないから恋できてもそれ以上は無理だわ、彼氏が他の女に行っちゃう可能性もあるしね 」
ひ、ひどいっ
「 伊織が兄を選んだわけだし、仕方ないよ 」
「 可哀想に…… 今だけ燃えるわけね 」
「 ちょっと、二人とも…… ひどすぎでしょ!
私だって結婚したい~ 報われない恋とか思いたくない~ 」
「 あ、利香のせいだよ 」
「 菜月が言うからだよ 」
半べそな私に二人が慰めてくれる。
兄の碧斗を日に日に好きになる。
私は私のままでいいと二人が言ってくれるが、心意はどうなのか……
利香は昼前で帰り、菜月も遅れて大学へ。
私のためにわざわざ来てくれた二人。
一人になった部屋で掃除を始めた。
夕方には母に言われた通り家へ。
碧斗も来て彩膳はいいのかと聞いたら休んだと言う。
「 二人ともおかえりなさい、一緒にお正月過ごせなかったから今日はたくさん料理用意したからね 」
母は浮かれている、それには理由があった。
「 碧斗、伊織ちゃん、おかえり。今年もよろしく 」
父の挨拶で乾杯し、碧斗は別人のようににこやか。
そんな穏やかな空気を切ったのは母。
「 伊織ね、彼氏出来たいみたいなの、碧斗君の友達ですごくカッコいいのよ~ 」
この発言で碧斗の顔色が変わった。



