「 碧斗? 俺は何にも言ってないからな 」
冷めたように滉を見る目が怖い。
「 滉が彼氏ね…… 」
「 いやいや、碧斗違うからさ、な?」
「 先行け、自分の車で行く 」
明らかに誤解が機嫌の悪さを悪化させてしまっている。
滉は泣きたい気持ちだったが、仕方なく一人で行く。
その頃、私に菜月と利香から会いたいと連絡が来ていた。
マンションに来て欲しいと伝え、二人はお菓子やデザートを持って来てくれた。
「 いい部屋じゃん 」
「 同棲には最適だね 」
「 同棲じゃないから、間違えないで 」
二人は顔を見合って、同棲だという。
そんな二人に私は相談した、母が勘違いをして滉を彼氏だと思い込んだと。
すると、二人はやけに笑った。
「 ねぇ、ちょっとだけ可哀相なんだけど~ 」
「 ほんとほんと、モテ期なのにちょっと不運だもんね 」
また……
話すんじゃなかった。
「 大変なんだから、碧斗すっごい機嫌悪くて怖いの 」
ほんと困ったよ……



