私は家に帰りたいと碧斗に言った。
連れて帰ってと……
そして、車の揺れで眠りに落ち……
マンションに着くと辺りは暗かった。
部屋に入ると、碧斗が抱きしめてお仕置されるかのようにキスをしてきた。
「 ごめんって、言え 」
「 ……どうして… ん…… 」
「 お前が散々焦らすから、もどかしくて狂う 」
焦らす?
私が?
狂うって、どうして?
「 もう、俺のものになれ 」
「 なってる…… 」
碧斗、私は碧斗のだよ。
「 まだだ、俺を伊織の男にして 」
キュ、ン…… と高鳴る胸の内に甘くて温かい思いの丈を感じた。
妹じゃない。
妹でありたくない思いを……
互いに、体ごと預けて。
夜の長い時間を二人の部屋で、二人で抱き合って……
心ごと共有しあった。
「 伊織… 」
「 なに… 」
「 やっと、俺のになったな 」
そうだね、碧斗……
嬉しいから泣いてもいいかな?