宿木の下でキスと、碧斗からの心を感じた。
二人で園内を回り碧斗に聞く。
優雅はどうしたのかと……
「 優雅が連絡くれた、伊織とここにいるって。返して欲しかったらすぐに来いってな 」
言葉がなかった。
優雅は私を思って碧斗を呼んだと知り、涙が込み上げてきた。
なんて酷いことをしたのだろうと……
私を好きだと言った優雅の優しさを傷つけていた。
「 泣くなよ、今泣きたいのは優雅だ 」
「 ……碧斗も泣いたら!優雅君の気持ちわかるんでしょ 」
「 俺が泣くかよ、バーカ 」
「 ちょっ、と~ くっつかないで!」
「 あー、はいはい、何も聞こえないね 」
きっと碧斗も優雅に感謝しながら苦しんでる、そう思った。
優雅とは友達だから。
譲れない、それが答え。
何より私が碧斗を思っているから……
碧斗と閉園近くまでいて、碧斗の車に乗る。
見るのは横顔、ハンドルを握る手、ミラーを見る目……
この人が好きだとさらに認識して、照れる。
「 伊織、どっか…… 泊まってくか?」
「 え… いやいや、バカ?泊まるとか一切ないからねっ 何言ってんだか…… 」
あー、心臓に悪い!
「 へぇ…… 優雅ん家には泊まったくせにか 」
「 そ!それは…… 忘れて 」
もう…… 言わないでよ。