京野菜なんて食べたことないし……

人参すごく赤いし。



「 いただきます 」


遠慮なんて、私には朝からご馳走でしっかり頂く。

食べながらなら、話せると思った。

昨夜の事を。




「 優雅君… 迷惑かけてごめんなさい。
私が電話しちゃったから、来てくれてありがとう 」

「 頼ってって言ったぞ 」



何があった?って、聞かないのかな……

私が話さないとだよね。




「 送ってもらって玄関の鍵が開いてて… 開けたら…… キス、してた。
碧斗が、彼女と…… 」




すぐに目をそらしたから、でも、あれはキスだった。

碧斗からした?

彼女から?

それとも……



「 漬け物、うまいよ。お袋が漬けたやつだから、食べてみて 」

「 あ、うん 」



優雅君、聞かないんだね。

私、どう受け止めたらいいかな?


わかんないよ……




「 伊織ちゃん、デートしよ 」

「 え… 大学は?」

「 大丈夫。あと、俺男だからよくわかんないけど、メイク落としってやつあるから顔洗いなよ、シャワーもね 」



まさか、私のために買ってきてくれた?

あ~ つくづく迷惑かけてるよ、私……