優雅から、今から会えないかと… 返信に指が動かない。

行動を起こさないと何も変わらない。

ただ、もう一度……



「 利香、私… ケジメつけたい人がいるの 」

「 ケジメ? まさか、あんたイケメン彼氏いるくせに二股してたの!?」

「 なんでそうなるのっ 違うから!先走らないでよ…… 」

「 モテ期は辛いね、いいね、羨ましいわね、幸せなケジメよね…… ハァ 」



んもう! 利香っ



何とか利香をなだめ、ファミレスを出て利香が送ってくれた。

優雅に指定された場所に……



「 ねぇ ほんとに大丈夫なの?男相手のケジメなんて女じゃ意味なくない?
それにさ、ここある意味密室だし…… 」

「 大丈夫、みんな歌ってるだけだし 」

「 あんたのそのノンキさが命取りみたいに感じるのはなんで? イケメンが紳士とは限らないから気をつけてね 」




心配する利香を見送り、優雅が待つカラオケ・招き黒猫に来た。

指定された部屋に行くと優雅が一人静かに待っていた。

ただ足を組み座っているだけなのに、やけに色っぽく見えてドキドキと緊張で戸惑う。



「 優雅君、待たせてごめ、ん… 」



声をかけた途端だった。

まさに想定外、抱きしめられて……

驚くあまり固まってしまった。

私の中では、優雅は碧斗に敵意を見せるかのようで、私を思ってはいない… そのはずだった。

本気で向き合う、それが本心だとしたら?




「 優雅君、ごめん、離して…… 」

「 ……嫌だ 」