あれから水瀬くんとの進展も何も無いまま、ただ時間だけが流れていき季節は文化祭です。



私のクラスの模擬店は、男女別にワッフルと焼きそばに決まり…



「暑っついー!干からびるー!誰が模擬店やるって提案したのよ!?」



じりじりと太陽が焼きつく灼熱の暑さのなか外で、ワッフルプレートを使うのは酷だった。



なっちゃんは団扇をパタパタと仰ぎながら、目をトロンとさせグッタリしている。



そうなるのも無理はない…



「なっちゃん、もう一息だよ…頑張ろうっ」

「いやーだー…。家帰ってクーラーに当たりたい…」



熱中症対策に用意された保冷剤は、すっかり氷が溶けてゼリー状に。



水もあっという間に短時間で、生温くなるほど今日は猛暑日だ。



だから、つい不満の声が口から零れるも分かる…



こんな真夏の日にずっと外に居れば集中力も切れてしまうのは当たり前だし、何より蝉の声が強く蒸し暑さを感じさせていた。