そういえば、水瀬くんはどこだろう?
男子の中から、水瀬くんらしき人をキョロキョロと探す。
あ、いた…!!
クールな表情で走る水瀬くんを見て、胸がキュンとなる。
凄いな…何周も走ってるのに全然キツそうに見えない。
むしろ自分の走るペースを崩さず、落ち着いていた。
走ってる姿さえも色っぽく見えて、カッコ良すぎるよ…水瀬くん。
「次は女子の番な。後ろ喋ってる女子グループうるさいぞー」
田中先生の声にハッとして、自分も走る準備を整える。
寝てないからか貧血っぽいけど、少しくらい大丈夫だよね。
ゆっくり焦らないで走れば。
グラウンド中に笛が響き渡るとともに、女子が一斉に走り出した。



