今日の体育の授業は、グラウンドを5周走るのがメインだった。
寒いグラウンドを走るのは、かなりの体力が消費され奪われていく。
「田中先生勘弁してよー…もう走れねーわ俺」
「脇腹いてー…」
「冬のマラソン、マジ勘弁!」
お腹の脇を抑えながら、ほとんどの男子は最初走った時よりも遥かにスピードが落ちていた。
「これで疲れるお前らは、まだまだだな」
なんて、田中先生は呆れるように呟く。
田中先生にとって走るということは、朝飯前のレベルなのかもしれない。
恐るべし、田中先生…。
「永絆、次走るのあたし達の番だよー」
「あ、うん!今行くね」
男子達の走る姿を見ている間に、女子の走る番が回ってきたみたい。
男子が走り終わる前に、スタート地点にスタンバイ。



