横に来た水瀬くんを見てみると、ずっと靴に視線を向けたままで。 すのこを上靴を落とした後、一切こちらを振り返ることなくスタスタと行ってしまった。 「行っちゃった…。」 絶対に気づいてたはずだ。 私が隣に居ることを。 それなのに水瀬くんは気づかないフリをした。 まるで水瀬くんの世界に私がいないみたいで、寂しい…な。 水瀬くんと目が合ったり話せる日が、もう二度と来ないのかもしれない。 そう強く感じるんだ。 水瀬くんの背中を見て。