「彼女はいるんですかー!」
「あー!それ知りたいっ」
クラスの女の子たちが、一斉にざわつき出す。
そんな一方、男の子たちは無味乾燥な表情を浮かべている。
同じ男性としてのジェラシー…でしょうか?
「いませんが。プライベート以外にも質問してくださいね。松本さん」
「は、はい……。」
まるで全身の力が抜けたように、ストンと座る松本さんの表情は恍惚状態。
先生…すごいです。あの短時間で、素早く大人の返し方が出来るなんて。
やっぱり先生は大人だから、どことなく余裕を感じる。
あんな風に私も大人な対応がしたい…。
そしたら、水瀬くんもこっち見てくれたりしたかな。



