変わらずクールな水瀬くんが座るのは、窓側の一番後ろの席。
一列挟んでだから距離的に考えたら遠いけれど…やっぱり同じ空間にいるのは落ち着かない。
これから1年が気まずいなぁ……。
どうか、この1年が何事もなく無事に過ごせますように。
「うわぁ…このクラス最強ね」
「えっ?最強?」
キラキラとなっちゃんが目を輝かせている。
「王子こと玖珂斗羽(くがとうわ)よ。玖珂王子も水瀬くんと並ぶくらい人気高いんだからね」
「へぇ…そうなんだ?」
…玖珂王子か。
確かに王子と聞いて誰もが納得するほど、笑顔が爽やかでキラキラ輝いている。



