「遅れたら私まで怒られるんだからねー」
「…ごもっともです」
それでも、なんだかんだ更衣室で待っててくれる優しいなっちゃん。
「にしても。どうしたらこんなに遅くなるの」
「水瀬くんに校舎案内してまして…アハハ…」
『他人より自分の方が先でしょ』と、呆れるなっちゃんに私は苦笑いをする。
「てか永絆、水瀬くんと知り合いなの?」
「んー…、知り合いというか何ていうか…」
知り合いになる途中の段階なのかな。
きっと、お互いまだ知らないことの方が多くて。
たまに水瀬くんの考えてることとか、表情がイマイチ読み取れなくて戸惑う時があるんだ。
口数が少ないから余計、誤解されちゃうこともありそうだなって。



