ねぇ、辛いよ……。 全然吹っ切れてなんかいない。 まだ水瀬くんのこと好きでいたいって、どうしようもないくらい心がワガママを叫んでる。 往生際が悪いのかな、私…。 「あ、さくら……」 学校のグランドに立っている桜の木。 春風に揺られて、ふわり桜の花びらが手のひらに舞い落ちて。 胸をそっと切なくさせた。 この春風に乗って、水瀬くんまで想いが届いたらいいのにな。 きっと叶わない願い…だけど。