並んで歩く隣には、もう水瀬くんの姿はなくて。
やっぱり、独りで歩くのは寂しかったり…。
さり気なく道路側を歩いてくれてたんだよね、いつも。
肩も当たってしまわないようなのにか、隣には少しの隙間が空かれていて、不思議とその距離感が、なんだか心地よくて好きだったんだ。
だけど、あの水瀬くんの無邪気な笑顔を二度と隣で見ることは出来ない…。
思い出の中の水瀬くんだけが、今もキラキラと光り輝き続けているんだ。
果たして、こんな日々に慣れる日が来たりするのかな…。
結局バレンタインで告白したあの日以来、水瀬くんと会話を交わすことも無く。
曖昧な状態が続いたまま、春を迎えてしまった。