「んー…いい香りね。これはガトーショコラかしら?」 「わっ、お母さん!?」 焼き上がるまでの時間、スマホを見ていると突然。 お母さんの声が背後から聞こえて、肩がビクッと飛び跳ねる。 入ってきた音が全然しなかったのは、ドアが開けっぱなしになっていたのだと気づく。 「料理をしてる時の永絆。いい顔してる」 「へ、?いい顔…?」 どんな顔をして作っていたかなんて、そんなこと自分では意識したことも無かったから、お母さんに言われて驚く。 あぁ、私。無意識にいい顔してたんだって。