マイクのエコー音で響きながら俺の名前が呼ばれた。 「………悪い、俺帰るわ」 「えーーっ!?なんで急にー?」 「調子悪くってさ!また誘って」 気がつけば、カバンを強く握りしめ部屋から出ていた。 「ちっ…」 イライラする。 陽チャン、あんな顔するんじゃねえか。 なのに俺の前ではあんな不機嫌そうに。 「………なんなんだよほんと」 呟いたって、 答えなんてわかりゃしないのに。 ただ一人で、目的地も考えないまま歩いていた。