今考えれば物騒な話だよなぁと言って、トモキは笑う。
わたしは、この話のオチがわかったような気がして、とても笑えなかった。
「そのおっさん、俺と俺の質問にかなり驚いてたみたいだったんだけど、そうだよサンタさんだよ、なんて言うわけ。挙句の果てに、この家を案内してくれないか、なんて言ってきたんだよ。俺もバカだからさ、それを真に受けちまったんだ。トイレにでも行きたくなったんだろう、だから俺の家に寄ってくれたんだ、なんて考えてさ。で、トイレに案内したら、そこには用を足しに来た親父が先にいたわけ。
そっから先は大変だったよ。おっさんは逃げ出すし、親父は怒鳴りながら追いかけるし、お袋は俺を抱きしめてわあわあ泣きだすし。あれは聖夜なんてもんじゃなかったね」
「そのおじさん、泥棒だったってこと?」わたしは何て言ったらいいのかわからなくて、とりあえず一番聞きやすいことを口にする。
「うん。そのおっさん、ちゃんと捕まった。
それでこの辺を物色してた空き巣だったってわかったんだ。クリスマスって、浮かれて戸締りが甘くなったりする家が多いらしくて。まあ、俺の場合、自分で招き入れちゃったんだけど」
「それじゃ、サンタは結局、いなかったってことにならない?」
トモキの話を聞く限り、トモキのためにプレゼントを運んできたわけはないみたいだし。
トモキはわたしの言葉に首を振ると、微笑んだ。
「そのおっさんは空き巣だったけど、俺にとってはサンタクロースだったんだ。ちゃんと、プレゼントを運んできてくれた」
その笑顔があんまりにも柔らかかったものだから、わたしは自分の顔が熱くなっていくのを感じた。
わたしは、この話のオチがわかったような気がして、とても笑えなかった。
「そのおっさん、俺と俺の質問にかなり驚いてたみたいだったんだけど、そうだよサンタさんだよ、なんて言うわけ。挙句の果てに、この家を案内してくれないか、なんて言ってきたんだよ。俺もバカだからさ、それを真に受けちまったんだ。トイレにでも行きたくなったんだろう、だから俺の家に寄ってくれたんだ、なんて考えてさ。で、トイレに案内したら、そこには用を足しに来た親父が先にいたわけ。
そっから先は大変だったよ。おっさんは逃げ出すし、親父は怒鳴りながら追いかけるし、お袋は俺を抱きしめてわあわあ泣きだすし。あれは聖夜なんてもんじゃなかったね」
「そのおじさん、泥棒だったってこと?」わたしは何て言ったらいいのかわからなくて、とりあえず一番聞きやすいことを口にする。
「うん。そのおっさん、ちゃんと捕まった。
それでこの辺を物色してた空き巣だったってわかったんだ。クリスマスって、浮かれて戸締りが甘くなったりする家が多いらしくて。まあ、俺の場合、自分で招き入れちゃったんだけど」
「それじゃ、サンタは結局、いなかったってことにならない?」
トモキの話を聞く限り、トモキのためにプレゼントを運んできたわけはないみたいだし。
トモキはわたしの言葉に首を振ると、微笑んだ。
「そのおっさんは空き巣だったけど、俺にとってはサンタクロースだったんだ。ちゃんと、プレゼントを運んできてくれた」
その笑顔があんまりにも柔らかかったものだから、わたしは自分の顔が熱くなっていくのを感じた。

