駅前は花火大会を目的とする人々で溢れかえっている。 広場ではこの日に合わせたイベントを開催していて、マーチングバンドの演奏が喧騒の合間に聴こえていた。 人にぶつかりそうになりながら歩いていたのは最初だけ。 人の流れは港の方へと向かっているけれど、私は途中からひとつ隣の道へと移動した。 別に人の多さを避けたわけではない。 いち君に指定された待ち合わせ場所に向かう為だ。