「それは……あるものが売ってるという情報を聞きつけまして。お買い物してました」


そういや途中店に入ってたな。

中まではつけず、入り口で待ち伏せしていたが。


「欲しいもんでもあった?」

「これです」


莉音は鞄の中から袋を取り出すと、中身を広げて俺に見せた。


「……なんだそれは」

「靴下と帽子です」

「だから、なんでンなもん買ってんだって聞いてんの」


見せられたのは、よくあるクリスマスに人間が被ったり飾ったりするサンタ帽と大きな靴下なのだが。


「黒いじゃねぇか」

「はい。もちろん」

「そんなのが欲しかったのか?」