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マンションに、ゴミは、置いてきた。


中にはまるごと喰うやつもいるが、大食いでもなければ、持ち帰らない主義なもので。


現場も、そのまま。荒れたままだ。


じきに『便利屋』が始末しにやってくるだろう。


やつらは、呼ばなくてもくる。

ニオイを嗅ぎ付け現れる。


後日、請求書が送られてくる。

荒らし過ぎたら高額だし。

運が良ければ逆に振り込まれる。


おそらくは仏に利用価値があれば

闇ルートで売りさばかれるのだろう。


買い手が誰か?


想像したくもないが。

人だったり人じゃなかったりするのだろう。


俺が心臓をくり抜いた死体の大半はそいつらが上手いこと処理してくれる。


この国の失踪者は年間8万人にのぼるといわれている。


そのうち俺が消してしまったヤツも『行方不明者』としてカウントされているかもしれねぇな。


俺は、いつ消えてもおかしくないようなのばかり狩ってきた。


きっとその方針はこれからも――…。


「なぁ、莉音」

「なんですか、ブラックサンタさん」

「お前なにしてたんだ? 男に襲われる前」