集中するんだ。 ――――莉音の香りを思い出せ 背を向けた俺に、 「バイバイ。またね」 陽気に声をかけてくるアイツを横目に。 「……じゃあな」 できるものなら俺も。なにもかも捨て。 お前くらい素直に生きてみたいと、思わなかったわけじゃない。