ブラックサンタクロース




集中するんだ。


――――莉音の香りを思い出せ


背を向けた俺に、


「バイバイ。またね」


陽気に声をかけてくるアイツを横目に。


「……じゃあな」



できるものなら俺も。なにもかも捨て。

お前くらい素直に生きてみたいと、思わなかったわけじゃない。