そうか。
だから、アマリさんは
芽生え始めた心を失わずに済んだ。
「って。言えるのかな」
――――?
「あれだけ大量に出血したんだ。一命をとりとめただけで奇跡」
「どういうことですか」
「まだ意識が戻らない」
「そうだったんですね」
「このまま二度と目を覚まさないかも」
リョウコさんは、眠ったまま……。
「食べないんですか」
「は?」
「意識不明で寝てちゃ。マズい……とか」
「君。ほんとに人間?」
「え、だって。食べ損ねたこと怒ってましたよね」
「……それはそうだけど」
「食べないんですか」
「食べ頃じゃない。今は」
「やっぱり起きてるときがいいんですね」
「もうちょっと僕を好きにさせたらもっと旨くなるだろうしね」


