存在してくれなくちゃ、
わたしが困ります。
「莉音」
「はい」
「俺はお前のために生きていたい」
「わたしだって同じ気持ちですよ?」
どうか
わたしのこと、みていてください。
わたしのこと、求めてください。
わたし無しじゃ生きられないくらい
――――愛してください。
あなたに呑み込まれても、怒りません。
それが本望ですから。
「莉音」
そうやって
わたしの名前を呼び続けてくださいね?
「……ジンさん」
ジンさんの顔が、近づいてくる。
あと数センチで
唇が、触れそうな距離感。
まぶたをつむった――、そのとき。


