ブラックサンタクロース



「"サンタさん"と結婚してどうする」

「戸籍、ありますよね。できますよ!」

「いいのか莉音」

「いいに決まってるじゃないですか。ジンさんの、お嫁さんなんて。……それ以上の幸せないです」


なりましょう。夫婦に。


「もっとよく考えたらどうだ」

「考えたところで愛が溢れるだけです。それとも。……心変わり、して欲しいです?」

「するな」


クシャ、と髪を撫でられる。


「ジンさん」

「ん」

「大好き」

「……知ってる」

「食べたくなったら食べてくれていいですからね。覚悟できてます」

「冗談でもそういうこと言うな」

「本気ですよ」


どうか、わたしがいちばん美味しいときに

あなたの一部にしてください。