ブラックサンタクロース


「それは困ります。わたしの心臓はジンさんに捧げるものなのに」

「バカなこと考えずに一日も長く生きてくれればいい」

「……ジンさん」


護衛もあって

四六時中ジンさんの監視下である今の環境は、わたしにとってラッキーでしかない。


わたしが、どこでなにをしていても

ピンチのときは助けに来てくれるだろう。


「仕事のジャマしてごめんなさい」

「ただの有給だ。辞めたっていい」

「え……?」

「辞めたところで、お前のこと養うくらいできる」

「……やし……なう」

「だけど俺が無職ってのは。その。あまり、格好がつかないと思うんだが」


さらっと爆弾発言をしたジンさん。


「それ。プロポーズみたい、です」

「プロポーズなんてしていない」

「いや、しました。ぜったい」