「……アマリさんは。Xを、どうしたと思います?」
「知るか」
「名前なんですけど」
「考えたのか」
「ミカエルくんなんて。どうです」
「……天使ってキャラか?」
「あの子は、道を正してくれる大人が。……導いてくれる存在が、周りにいないんです。仲間がいないんです。どんな心の美しい人間だって、育った環境に影響されて歪んでしまうことがあるでしょう?」
「アイツは無差別殺人鬼だぞ」
「そんなことを言ったら。人間は、息をするように生き物を殺めすぎです」
間違ったことを一つもせずに大人になる子供なんて、きっと、いない。
「ルールなんて、先に生まれたものが生きやすく作っただけのものです」
「かばってる余裕ないだろ。アイツはお前の命すら平気で――いいや、面白がって奪うようなバケモノだ」


