ブラックサンタクロース



「さあな。案外ひょっこり現れるんじゃないか」

「そうでしょうか」

「アイツは、いつもそうだ。気まぐれに俺の前に姿をみせる。それが一ヶ月後になるか。一年。あるいは十年先になるか――それは俺にもわかんねえがな」

「また、会いたいです。……できれば生きているうちに」

「会わなくていい」

「ジンさんから会いに行かないんですか?」

「行く意味がわからない」


そんなことを言いつつ

本当は、ジンさんだってアマリさんのことを心配しているんじゃないかな。


「……今日も休んでいて大丈夫です?」

「かまわない。働きすぎだと注意されるくらいだ」


ジンさんは、いつXがわたしを狙うかもわからないので仕事を休んでいる。


もっともXの捜査は続いていて

ここ数日は変死体も発見されておらず

Xの捜索は難航している。