ブラックサンタクロース



「お前が相当マニアックだったこと、忘れてた」

「ひとつ言わせてください」

「はいよ」

「ずっともらってます」


一緒にいられる時間も、いられない時間も。


「ジンさんの存在が、わたしに力をくれるんです。生きていてよかったと心の底から思えるんです」

「おいおい。俺は神か?」


神?……ううん、違う。


「愛の力です」

「っ、ガキが愛を語るのは100年はえーわ」

「100年たったらわたし、この世にいませんよ」


ジンさんはあと何年生きられるのかな。

100年くらい、余裕なのかな。


それはわたしには、ちょっと、わからないけど。


どうか。わたしより長生きしてくださいね?


「ねえ。ジンさん」

「なんだよ……」

「わたしの周りの子たちは恋愛を楽しんでます。わたしも恋愛したい。するならジンさんとしたい。ジンさんじゃなきゃ嫌です。ジンさん以外、考えられません」

「何回俺の名前出すの」

「できればわたしが老いる前に。生きているうちに。あなたに可愛がってもらいたいなっていうのが、わたしの本音であり。……願い、です」