「……アマリさん。フレンドリーに見えたのに」
「だろうな」
相手を油断させて、警戒を解いてから食事に入るのが、アマリさんの手法ってことだろうか。
「俺らの中には、敢えて仲間の身近な人間に手を出す輩(やから)もいてな。冷蔵庫に大切にとっておいたプリンを平気で横取りして喰うような感覚っていえば伝わるか?」
「……歪んでますね」
「ほんとにな」
すると、ジンさんの声が急に小さくなる。
「Xは、どうやらアマリをマークしているらしい」
「え……」
「その手紙。全部、アマリ宛てなんだよ」
テーブルの上に無造作に置かれていたのは、赤い封筒。
この部屋に戻ってきたとき、なにかあると気づいてはいたけれど触れていなかったもの。
「アマリさんの身に危険が迫ってるんですか? Xが相手なんて……大丈夫なんですか」
「なに。アイツは強い。そう簡単にやられたりはしないから心配には及ばない」
あんなに細いのに強いなんて、つくづく見た目で判断できないものだ。
「もし……」


