ブラックサンタクロース



グラスをテーブルに置いたジンさんが、ソファにかけてくる。

わたしの、隣に。


わたしをじっと覗き込んでくるジンさん。

普段こんなに近づいてこないのに。

どうしたんですか……?


「さっきからアマリの話ばかり」

「えっ……」

「そんなにアイツが気になるのか」

「そういう……わけじゃ……」

「あいつのこと知ってどうする」


どうするって、言われましても。


「まあ、アイツは美しいからな」


ジンさんなにか勘違いしてませんか……?

わたしが気になるのはアマリさんの生態で。

美しさではないですよ。


それに、美しさでいったらジンさんの方が上です。

ううん美しさ以外も。

なにもかもジンさんは最高です。


「ジンさ……」

「くれぐれも、アイツと2人になるなよ?」