「今日が何の日だかわかるか?」
「え?何の日って…」
首を傾げる凛。
覚えてるわけないよな。
内科医院の跡地を見ても、凜は気づかなかったから。
凛のおばあさんが亡くなったあと、こっちに来ることもなくなっていたのかもしれないから。
「5月5日…あれからちょうど20年だ」
手紙を渡したら、戸惑った様子でその文字を追い始めた凜は、突然目を見開いて大粒の涙をこぼした。
手紙に目を落としたまま、凜は口元に手をあてる。
「…謎が…全部解けました。
キヨさんの出棺の時に思い出しかけた何かも、心筋炎の時に聞こえた『頑張れ』の声を懐かしく思ったのも…
あ、あと悠さんがやたらと迷子の心配をしてたのも」
凜はクスっと笑って顔をあげ、泣きながら満面の笑みをたたえる。
「悠さんは、昔から私のヒーローだったんですね」
凛の髪をなでながら、俺まで泣きそうになる。
「俺が医者になるきっかけをくれたのは、凛だったんだよ」
「え?何の日って…」
首を傾げる凛。
覚えてるわけないよな。
内科医院の跡地を見ても、凜は気づかなかったから。
凛のおばあさんが亡くなったあと、こっちに来ることもなくなっていたのかもしれないから。
「5月5日…あれからちょうど20年だ」
手紙を渡したら、戸惑った様子でその文字を追い始めた凜は、突然目を見開いて大粒の涙をこぼした。
手紙に目を落としたまま、凜は口元に手をあてる。
「…謎が…全部解けました。
キヨさんの出棺の時に思い出しかけた何かも、心筋炎の時に聞こえた『頑張れ』の声を懐かしく思ったのも…
あ、あと悠さんがやたらと迷子の心配をしてたのも」
凜はクスっと笑って顔をあげ、泣きながら満面の笑みをたたえる。
「悠さんは、昔から私のヒーローだったんですね」
凛の髪をなでながら、俺まで泣きそうになる。
「俺が医者になるきっかけをくれたのは、凛だったんだよ」