やがて、ドアノブの音が無くなると、
ドンドンドンッ!ドンドンドンッ!
と、木のドアをノックする。
もう、やめて!来ないでよ!
そんな願いも虚しく。



『なんで、生まれて来たんだろ…』




無気力にドアがギィーッと開く。
そして、また。
カツカツ…カツカツ…と。
ヒールの音が聞こえる。




『もういっそ、みんな死んじゃえばいいのに』



私は怖くなって、窓の方へ逃げる。
もうダメだ。
ここも見つかる。
カツカツカツカツッ!!
どんどん足音は早くなる。




『君にはわからないんだよ』





カツッ……………!!
勢いよく、足を止める。
私はそれと同時に、古びた窓を開ける。




『君の願いは何?教えてくれる?』




否、ブワァッ!!と風が舞い込む。
それは、この部屋にある本のページをすごい速度でめくっていく。






『なんでも叶えてあげるよ!』




ガチャッ!とドアが開け放たれて、私の元へその人が近づいてくる。
私は、窓の淵にいる。
つまりは…






『スターダスト…ブロッサム、だね。』






落ちた。