少し経って、先生たちが屋上へ来た。
私は、密かに持っていたお弁当を取り出す。

「おい、君。何をしている?」

フッ、引っかかったわね!

「あっ、あたしっ!お弁当食べようとしててっ!
いつものフェンスがおかしいなぁ、と思って…
近寄ってみたんです!…下を見たら、この有様で…!」

うっ…うっ…と。あたしは嗚咽を漏らした。


はい、完璧。


「君たちは?」
「私たちは、叫び声が聞こえたから、見に来たんです。」

よし、台本通りだね。




「しかしなぁ…、二回聞こえなかったか?」

「…あっ!そっ、そうなんです!あたし、お弁当食べようと来て、叫び声も聞こえたし…!」


ちょっと、何言っているのか自分でもわからない。
でも、今はこれしかすることがない。


「君たちは、自分の教室へ戻りなさい。
とりあえず、生徒を家に返そう。もしかしたら、誰かが殺した可能性もある。」

「っ、はい。」




あたしは、屋上の扉を開けた。



あっははは!!!
よく騙されたものね。
犯人家に帰して、何がしたいんですかぁ?
あー!いい気味!
これで、あたしと彼を邪魔するものはいなくなった!
あたしは、ニヤケが止まらなかった。





家に帰って、とりあえず即席で作ったチャットルームを開く。
ここには、ともかと若葉、湊が入っている。



と「ちょっとさーwやりすぎな気がするw」
若「今更何言ってんのー!どうせバレないしー!」
湊「なんか俺、すごい殺すの楽しかったしなぁ」
春「…でもさ、なんか辛くなって来たかも。」
若「なんで?」
春「いや…なんか…ね。」
と「春香がやろうって、言い出したんじゃん。
今更私はやってない、とか言うんじゃないでしょうね?」
湊「俺は、楽しかったからいい。」
と「でも、私も罪悪感?がやばい。」
春「このことには、一切触れないことにしよう?
それで、あたしたちの関係も、終わりにして。
みんなそれぞれ違うキャラ?やってみよ?
生き方変わるかもしれないよ?」
と「おっけ…じゃあね!」
若「うん…。バイバイ。」


チャットルームは、今日限りで終了。
もう、用無し。


明日からは、彼に近づけるように頑張ろう。