あたしは翌日。
彼女を呼び出した。


というかさ、なんでみんなはこんな簡単なことをやろうとしないんだろう?
やっぱり、あれかな?

誰か一人のために努力をしている自分が好き、みたいな?

ほんと、そういうのいらない。
そんな生ぬるいので、彼を好きにならないでほしい。
もっと、やり方があったと思うのにな。

それをあたしが率先してやってあげてるんだから。

あたしって、本当に偉い。
みんなが嫌がる役を自分から進んでやってあげてるんだ。


ん?もし、バレて嫌われたらって?
そんなの、あるわけないでしょ?
彼女、気が弱そうだし。
多分、脅せばいう気にもならないだろうしね。

仮になったとしたら、殺すなりなんなりするから。
あたしは別に犯罪を犯してもいいと思ってる。
それがバレても。
一瞬でも彼の近くにいることができれば、あたしはそれでいい。

私はそれに命をかけてるから。



「ねぇ!アンタ。どんな関係なのよ!」


返って来た返事はあたしを余計にムカつかせた。


「…特に、関係は…」


関係がないなんて、あり得るわけないじゃない!
だって、一緒に帰っていたんだよ!?
今もくっついてるし!!
それで、関係がないなんて、よく言えたもんだわ。
ほんとウザい。


直に殺す。はい、それに決定!


「何言ってるの!?小学校の時、一緒に帰ってたって聞いたんだけど?
幼なじみとかじゃないでしょうね?
それで浮かれてたりしないわよね?」


「いえ…それは…」

確実に浮かれてんでしょ!?
どうせ、こんなやつ、私は幼なじみだからみんなよりも…!
みたいなこと思ってるんだろ。
あー、うざ。

こいつがいるからあたしの恋が報われないんだっての。
あー!本当に殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい殺したい。




「じゃあさ、私とうまく行くようにやってよ。
アンタ邪魔なのよ。
いつも近くにいるし。ほんと迷惑。
好きでもないやつの近くにいるなんて、邪魔だから。
明日からは離れて、私が近づけるようにしてよ。
そうじゃなかったら、何するかわからないからね?」




バカね、なら逆手にとってやる。
一回でも約束破ったりしたら、絶対殺す!
あたしの気に触るようなことしても、絶対殺す!


「は…はい、」


フフッ、交渉成立…。