私は、考えていた顔を上げた。

教室がガラーッとしている。

まぁ、それもそうか。

39人いたクラスが、今や、19人しかいない。


それにしても…、秋斗の方はやけに人数が減りすぎやしないか?

「秋斗。何があったんだ?別行動の最中。」

「あいつら、銃を持ってやがった。」

は…?銃?
そんな音は一切聞こえなかった。

「それは、本当か?」
「ああ。全員持ってやがった。ふつうに打ってきたぞ?」
「音は!?」
「音?…まあ、大きかったと思うが。」
「その音、4階には聞こえてないんだぞ?」

「は…?」

「そんな音は一切聞こえなかった。本当に死んだのか?」

ありえない……銃の音が聞こえないなんて。

「冬華。秋斗の言ってることは本当。」


「真希?」
「本当よ。私はトイレに隠れたの。咄嗟の判断でね。
彼らは狂ったように銃を撃ち回してたの。
しかも、最初の方なんて絶対撃ち抜いてたのよ?
だけど。途中から壁にも当たるようになった。
…1組の前の廊下の壁を見たら分かるはずよ。
あそこで銃撃戦が行われていたのよ。」



真希のいうことなら、信じれるかもしれない。
彼女は、生徒会副会長だからだ。
会長さんは、秋斗が殺したみたいだけど。