ここで勝てることができれば、俺たちは必ず勝てる!







俺たちは勝利の道を進んでるからな…!




「ほら、どうしたんだよ、さっきまでの威勢はよぉ?
どうだどうだ?…まぁた、無視かよ?
…だったら、やることやってやろうじゃねーの?」



俺は、手近にいた小柄の男をつかんだ。
確かこいつ…、生徒会長、だった気がするぜ…。



「おっ、おいっ!お前!暴行はダメだぞ!?
い、違反なんだからな!
いや、この場だからな…、手加減くらいはしろよ!?
傷になったらとんでもないからな!!」



俺は、フフッと笑った。



「…ごめんなぁ?俺は、手加減しない主義なんで。
…本気でいくっつーの。」





昔の俺はこうだったな…。
俺は強くなりたくてアイツの前でだけ強がってた。
そしたら、みんなに広まるし…アイツは死んじまうし…。
猫をかぶって生きるんじゃなくて、ある意味、狼かぶって生きてきた。

強い、って自分に言い聞かせてさ。
そんなこと言ってると、自分が弱く思えてくる。
だから人を殴った。


だから、不良組にも入った。
俺は強いんだよ、って。
アイツに伝えたかった。


…くっそ…いけね…キャラが変わる…。


でも、今なら素でもいいかもしれない…。
この、狂った世界の中なら素でも、いいと思う。

なら、俺はコイツを殴るまで。
俺はまだアイツのいるところには行っちゃダメだからな…。




グッ!
「ガハッ!」
ゴスっ!
「…うっ…」



ガッ!ガッ!ガッ!


俺は苦しみ悶えるそいつを笑顔で見送りながら、殴り続けた。

なぁ、強いと思ってくれるか?
俺はお前に守られるような男じゃないんだぜ…?


俺は、お前を守る男だよ…。








星屑咲楽。