時は3月。もうすぐで、中学校最高学年となる私たちは、受験への道を確実に進みながら、今を生きていた。

そんなのも、後1時間で終わってしまう。
始まってしまう、あのげぇむが。


「じゃあ、ホームルーム始めるわよ。日直は…、冬華さんね。」
私の名前が呼ばれた。
一斉にして、私の方へ82個の目が私を射抜く。
この瞬間は、とても慣れたものじゃない。
「…では。起立。」
ガタタッという音と共に皆が席を立つ。
「今からホームルームを始めます。礼。」
「「おはようございます。」」
皆が声を揃えて言った。
そして、座る。