「……はいはい。もう、猫かぶるのもやめるね。」


なんだか、懐かしい感じだ。
ついさっき思い出した、私の古い記憶。

私は、彼女と友達だったらしい。
少なくとも、私は彼女のことを好きだった。


「なんか、昔馴染みというか、そんな人に言われるなんて、ムズムズするね。」

その豹変っぷりに一番驚いていたのは、春香だった。

「…ま、待ってよ……、猫かぶるのやめたら……」

春香の顔が青ざめていく……

「うん?そうだよ…私、君に殺されたんだよね。
春香ちゃん、だっけ。君のせいで、私の寿命は2年くらい縮んじゃったんだよ……、まぁ、そのおかげかこうして別の私として生きているんだけどね。」

「賭けるものを提示しようか…
『三日月秋斗』で、どうだ」

「相変わらずだね、冬華ちゃんは。」

あいもかわらず、元気なのは認める。

「別にいいだろ。なら、私も猫をかぶるのやめようかな…」

なんか、気が張ってるんだよね……。

「別にいいよ?そっちの方がかっこいいし。」