暗い暗い森の奥。
街の奥から伸びるひとすじの坂道をかけ上がれば、私の帰りを待つ家がある。

バラで囲まれたアーチの下を通って、
四季折々の花が咲く小道を走って、
様々な生きものが顔を覗かせる木の横を通って、

辿り着いた、この場所が
私の大切な大切な家。


「ただいま、ノン!」
家に居候している、少女の精霊「ノン」
まだまだ幼く、長い黒髪を2つに結んでいる蒼眼の少女。
「おかえりなさいませ、ご主人様」
綺麗なお辞儀を毎度、披露してくれる青年の精霊「クレハ」
歳は私より少し上で、どちらかというと兄的存在。

この2人と、あともう1人、同居人がいる。


まぁ、同居人というよりも家族に等しい存在なのだけれども。

「あぁ!!やっと帰ったのかい、遅かったじゃないか。心配したんだよー?これでも…」
と言いながら、私の身長より高い高さから抱きしめてくるのは、私の同居人(夫)。


「さぁ、今日も勉強をしようか。愛しの僕の奥さん。」
「したくないと言っても、連れていくのでしょう?」
「もちろん、そのつもりだよ!」

このメガネをかけた長身で細長い、いかにも怪しそうな人が私の夫(になる予定の人)だ。


ね、驚いたでしょ?笑笑