「もっと解毒剤持って来い!」
「鎮静剤はまだか!?」
「治癒術使える奴こっち回れ!!」



治療室に響く医師の声。
酸素マスクをされてベッドで治療を受けている眞佳。

顔色は悪いし、息も荒い。

この学園の医者や一部の教師は眞佳が蓬莱の人間だと知っている。

どれだけの努力をしているかも知っているから、眞佳を慕ったり眞佳に憧れたりしている人ばかりだ。



「眞雪先輩、坂井先輩との関係性をお聞きしても?」



桜が問いかけてくる。



「桜、こんな時に。」


「こんな時だからです。
今でなければ眞雪先輩ははぐらかすでしょう?」




桜の言うことはもっともだ。




『‥‥弟だよ。』


「「「えっ!?」」」


「やっぱり眞佳か。
大きくなってたし、名字が違ったから分かんなかった。」


『あ、雪乃と隼人。お帰り。
坂井っていうのは母様の旧姓だよ。』



隼人たちが帰ってきたのを確認して真実を話す。