「兄貴が興味持つなんて珍しいね。」


『そうか?』


「信頼する人以外に対して無関心なくせに、よくそんな惚けられるよね。」




涙のその言葉に苦笑いする。
図星だったからだ。

…その時、部屋のチャイムが鳴る。

課題をしていた俺に気を使ってか、客を迎えに行ってくれる涙。

まあ課題をしてるのに気を使うなら自分の部屋にもどれって感じなんだが……

ちなみに、この学園は基本的には2人部屋の全寮制。

ただし、各クラスの委員長と役員は1人部屋だ。
つまり、俺も涙も1人部屋ってわけ。




「兄貴ー。時雨さん来たよ。」


「隼人、ごめんね。こんな時間に」


『いや、大丈夫だ。』




書類を持って申し訳なさそうに笑うのは生徒会 副会長であり幼なじみ。
2年SSS神凪 時雨(かんなぎ しぐれ)。