〔俺を呼び出すとはまた珍しいな、眞佳。〕


『あれ撃ち抜きたいんだよね。』



マンティコアを指さして言う。
すると、サラマンダーは珍しく苦笑いをした。



〔おいおい、あれだけの大きさのマンティコアなんてレアだぜ?
よっぽどデカい力ぶつけねぇとありゃ倒れねぇ。〕


『魔力も上乗せで放つから問題ないよ。』


〔相変わらず器用な奴だなぁ。
まあいい。
俺はお前の契約精霊だ。従ってやるよ〕


『ふふっ、頼もしいよ』


「眞佳、結界張り終わったよ。」


『ありがとう。じゃ、僕らの出番だよ。』



結界が張られているのを確認して弓を構える。



〔我が認めし主に我が力、龍炎を授ける〕



低く唸るような声でサラマンダーが呟いたと思えば僕の周りに無数の炎が現れる。

その炎を魔力と神力を上乗せして矢へと変え、その中の一本を取り狙いを定める。



『〝炎よ。
全てを焼き尽くす矢となれ
業火龍炎 消魔神!〟』