〔お前に無理している気が無いのが困るな。〕


『どう言う意味さ。』


〔以前倒れた時も大丈夫と言っていた。
そのせいで、私も眞雪たちも敏感になっているんだよ。〕


『あー、それ言われると言い返せないや。』



昔倒れたとき、自分でも大丈夫と思ってた。
けど、現実的には倒れたわけで‥‥

そりゃ、大丈夫って言っても信用してもらえないわけだ。



〔もう一度いうが、無理するなよ。〕


『‥‥努力する。』


〔あまり期待しないでおこう。〕



アポロンがため息混じりにつぶやく。
僕が雪兄と別れて向かったのは立ち入り禁止の高台。

通称 碧の塔
この塔は神や精霊たちと近い場所とされていて、立ち入り禁止の聖域と認識されているからこう呼ばれている。

寮とは真反対にあるここは校舎が近いのにいつも静かだ。

高台の一番上までのぼり扉を開ける。